MTGについて12。
2010年5月29日 MTGについて。 コメント (20)
時計の針を、再び巻き戻そう。
テンペストを知った夏、僕は月1000円の小遣いからブースターパックを買うようになっていた。
確か当時は英語版400円、日本語版420円くらいだったように思う。
ブースターを買いに行くと決めた日の楽しさといったら、なかった。
授業が終わるのが待ちきれずそわそわし、物凄く強力なカードが沢山はいったパックを手にしているのを想像しニヤニヤして。
放課後、一緒にカードショップへ赴く友達とわいわい喋りながら、意気揚々と自転車を漕ぎ進んだ。
カードショップに到着する。
その頃にはもういてもたまらなくなって、自転車を停める手間も惜しいとばかりに店へと飛び込む。
駄菓子売り場を抜けて階段を上り、二階へ。
上がるとすぐ、壁一面に並べられたシングルカードのコーナー。
思わずドラゴンやワームの値段に目が行く。
ラースのドラゴン:1560円
泥衣のワーム:840円
とても買えない。
ため息をつく。
次に、安くて強そうなカードを探す。
水底のビヒモス:180円
お、こいつは強そうだぞ。
手持ちの金額を確認する。
大丈夫、ブースターとこれを買ってもまだ90円余る。
帰りにキャベツ太郎やチョコ太郎を買える!
下の駄菓子屋(玩具屋)で買った駄菓子を食いながら帰るのも、また楽しみのひとつなのだった。
すっかり顔を覚えた店員のニイチャンにシングルの注文をする。
状態の確認を依頼され、いちいち勿体付けてみる。
どうせスリーブにも入れていない手持ちのカードは、どれもぼろぼろなのだが。
「大丈夫です」
などと、さも満足いったように頷いて、レジに向かう。
レジの隣に並ぶパック。
ミラージュ、ビジョンズ、ウェザーライト、ポータル、クロニクル、第5版・・・
もちろん僕は「テンペスト」だ。
ショーケースの中にはBETA、Arabiannight、Legendといった怪しげなパックも並んでいた。
BETAのパックをあけてBlack Lotusを引いたアンチャンが居るという噂も聞いた。
それはさておき、代金を支払ってカードとパックを手にする。
既に頭の中ではビヒモスが最強のフィニッシャーとして暴れまわっていた。
デッキはまだないのだが。
そして未だシングルカードに見入る仲間達を尻目に、僕はパックを開封することにした。
真っ先に鼻に付く、カードのにおい。
一枚、一枚、食い入るようにめくっていく。
どれがレアか、高いカードが当たるかなんて、二の次以下で。
全てのカードに構築の夢を抱きながら、ひたすらにもったいぶりつつ、ゆっくりとカードをめくる。
強いカードは単純に喜び、弱いカードはどう使おうか頭を悩ませ、全てを見終わってさあもう一度、いやもう一度と、眺め直して。
「おい、何が当たった?」
ようやくやってきた仲間達に声をかけられ
僕は、満面の笑みで
「最強!」
と返した。
テンペストを知った夏、僕は月1000円の小遣いからブースターパックを買うようになっていた。
確か当時は英語版400円、日本語版420円くらいだったように思う。
ブースターを買いに行くと決めた日の楽しさといったら、なかった。
授業が終わるのが待ちきれずそわそわし、物凄く強力なカードが沢山はいったパックを手にしているのを想像しニヤニヤして。
放課後、一緒にカードショップへ赴く友達とわいわい喋りながら、意気揚々と自転車を漕ぎ進んだ。
カードショップに到着する。
その頃にはもういてもたまらなくなって、自転車を停める手間も惜しいとばかりに店へと飛び込む。
駄菓子売り場を抜けて階段を上り、二階へ。
上がるとすぐ、壁一面に並べられたシングルカードのコーナー。
思わずドラゴンやワームの値段に目が行く。
ラースのドラゴン:1560円
泥衣のワーム:840円
とても買えない。
ため息をつく。
次に、安くて強そうなカードを探す。
水底のビヒモス:180円
お、こいつは強そうだぞ。
手持ちの金額を確認する。
大丈夫、ブースターとこれを買ってもまだ90円余る。
帰りにキャベツ太郎やチョコ太郎を買える!
下の駄菓子屋(玩具屋)で買った駄菓子を食いながら帰るのも、また楽しみのひとつなのだった。
すっかり顔を覚えた店員のニイチャンにシングルの注文をする。
状態の確認を依頼され、いちいち勿体付けてみる。
どうせスリーブにも入れていない手持ちのカードは、どれもぼろぼろなのだが。
「大丈夫です」
などと、さも満足いったように頷いて、レジに向かう。
レジの隣に並ぶパック。
ミラージュ、ビジョンズ、ウェザーライト、ポータル、クロニクル、第5版・・・
もちろん僕は「テンペスト」だ。
ショーケースの中にはBETA、Arabiannight、Legendといった怪しげなパックも並んでいた。
BETAのパックをあけてBlack Lotusを引いたアンチャンが居るという噂も聞いた。
それはさておき、代金を支払ってカードとパックを手にする。
既に頭の中ではビヒモスが最強のフィニッシャーとして暴れまわっていた。
デッキはまだないのだが。
そして未だシングルカードに見入る仲間達を尻目に、僕はパックを開封することにした。
真っ先に鼻に付く、カードのにおい。
一枚、一枚、食い入るようにめくっていく。
どれがレアか、高いカードが当たるかなんて、二の次以下で。
全てのカードに構築の夢を抱きながら、ひたすらにもったいぶりつつ、ゆっくりとカードをめくる。
強いカードは単純に喜び、弱いカードはどう使おうか頭を悩ませ、全てを見終わってさあもう一度、いやもう一度と、眺め直して。
「おい、何が当たった?」
ようやくやってきた仲間達に声をかけられ
僕は、満面の笑みで
「最強!」
と返した。
コメント
最近は箱剥きしてるときが一番楽しいです。
あるいはドラフトで剥いてるとき。
あとコモンアンコモンは買うの馬鹿馬鹿しい(気がする)ので4枚揃うまではパックを剥いてもいいという自分ルールも設けております。
買ったパックをただ剥くなんて勿体無い。
意外と覚えてるものですよね。
これもまたインターネットが発達し過ぎた弊害かもしれないですね
知らないがゆえの自由が阻害されてると言うか
BOX買い確定している場合はそんなかんじですね~。
>otakutalkerさん
ほんとリミテッド以外ではパック剥きたくなくないですね・・・もう。
まあそれでも、たまーに無性に剥きたくなって、剥いて・・・がっかり、を繰り返して・・・。
>kumaさん
《蝕み/Undermine(INV)》羨ましい。
断片的にですが、MTGに関する記憶は強く残ってますねぇ。
>妄想仙人さん
何事も様々な見方がある、ということですね。
決して悪い時代ではないのだけれど、今の若年TCGプレイヤーはこういった楽しみを変らず持てるのでしょうか・・・?
《青ざめた月(foil)》と《変異種》ですねー…やっぱり。
青い悪魔のほうは強さなんて当時全然知らなかったのですが、イラストに一目ぼれしました。
それ以来変異種は僕の嫁です。
あの頃に戻りたい・・・。
僕は周囲の環境的に、人から貰ってばかりだった気がします。
今思うと、もらっていたのはコモンなので、僕にくれた人にとっては、何でも無い事だったんでしょうが、今でも感謝の念と共に覚えています。
>ひみつ
子供の頃の駄菓子の特別さと似ている様に思いました。
寂しくも思えますが、やはり経験と環境に価値観が左右されるのは、致し方の無い事なのではと思います。
代わりに、恐らく当時は出来なかった、例えば人にコモンをあげると言った事を抵抗無く出来る訳で、そう考えると、価値観が変わってしまうと言うのも悪い事ばかりじゃないのかなとも思います。
ストリーミング配信でパックをバリバリ剥きつつわいわい、
パック開封配信はやめられないです。
先日リバイズドにまで手を出してしまいました、金額的には損しましたが楽しかった!
剥く楽しみ、プライスレス。
自分は5thのリヴァイアサンに一目ぼれでした。
今でもMTGイラストで好きなカードNo.1です。
蒼ざめた月のFoilは綺麗そうでいいですね。昔集めていた人が居たなぁ。。。
>茶々参さん
多分年を経るほど輝きを増していくのでしょうな・・・その時代その時代でしか感じ取れないことを、大切にしていきたいですね。
>bunさん
デュエルスペースに居た見知らぬ先輩達にデッキを見てもらって、改善方法や必要なカードをもらった記憶は忘れられませんね。こんなにいい人が居るのか、と。。。
駄菓子とはまた面白い比喩ですね。
私は駄菓子が大好きだったので、言われてみると色々と思い当たることがあります。
価値観が変ってゆくのを、嘆くのではなく前向きに捉えていくことが大事ですね。
公開配信など愉しむ要素を加えるのも一つの方法だと思います!
多分自分も、友達と一緒にわいわいパックを剥くのは楽しめると思いますし。
>剥く楽しみ、プライスレス。
今の僕には、羨ましいとしか言えない・・・。
あの頃が良く思えるのはカードリストなんてなかったので、パックを剥いてでてきたカードが
どれも初めて見るカードで凄くドキドキしたのだと思います。
ボクのデッキの最強クリーチャーは「根切りワーム」でした!
ああ、あの頃は楽しかったなぁ
根切りワーム!
テンペストのブースターを開けて狂喜したカードのひとつです!
そしてもう一つは・・・クラキリン、当時最強と信じて疑わないカードでしたw
当時はウルザブロックであり、小学生には使い方がわからなかった高額レアカードを一体どれだけシャークトレードをされたことか・・・
これもいい思い出ですね~
その後ウルザスレガシーを買いまくりでした。
だから僕のMTGの真のヒーローはジェイスでもソリンでもなく、ジェラードでありターンガースでありヴォルラスであり…って感じです。
アルゴスのワームとタニーワをトレードした記憶がありますよw
あの独特なイラストとレジェンドという響きには逆らえなかったんだ・・・。
>コテツさん
テンペスト・ストーリーは大好きでした。
女王を説得するカーンとかスクイーの料理にのた打ち回る皆とか名場面多いですよね!
「昼飯買うくらいならブースター買うから」といっていた時期が懐かしいです。徐々にカードを集めていって、シャドーアーマーを使っていたのも懐かしいです。《浄火の鎧/Empyrial Armor》は小遣いで買える最強カードでした。修学旅行に向けて必死にデッキ組んだなぁ。
今では平気で万単位のシングルを買い、デュアランを揃え、新エキスパンションが出るたびに箱買いするようになりましたが、あのころほど豊かなMTG生活はあしませんでした。
大地の怒り懐かしいですなぁ・・・・というか5版のカードはどれも琴線に触れすぎて困るのですが。
シャドーアーマーは僕も組みました!異様な強さでしたよね・・浄化の鎧。
ハルマゲドンと大変動を両方入れて、税収で土地持ってきて・・・使っていて気持ちの良いデッキでしたね。
リンクさせていただきました。
自分は昔パックをむいた経験があまりないんですよね。
その分GVのパックむいてました。
インベイジョンの剣歯二ショーバが大好きでしたね
私がギャザ(当時はマジックと呼ばれていました)を始めたのは日本語版黒枠が出回り始めた4th editionの頃でした。アイスエイジ、アライアンスと立て続けに発売され、英語版ながら、覚えたての英語を駆使して頑張ってthawing gracious,lake of the dead,kjeldran outpost なんかを引き当てるべく、昼ごはんを抜いてアライアンスにつぎ込んでました。
時期はマーク・ジャスタスが世界選手権でネクロデッキで決勝を進め、トム・チェンフェンのシロ単ウィニーに敗れ、「no more consultation」と言った頃の話です。
当時は渋谷のDCIオフィスが出来たばかりで、そこではコモンカードは全部段ボール箱に捨てられていました。先を争って、コモンカードを拾い集めたものです。
大学生風の方で、確か上町さんという方が、稲妻やファイアーボール等の必須コモンを家に沢山送って下さった事があって、飛びあがるくらいとても嬉しかったことを思い出します。
今は、ルール改正があまりにも多く、スタンダード環境の落ちるスピードも速すぎるので、もはやついていけず、昔の好きなカードを一枚だけ何でも入れていいハイランダーデッキで仲間内で楽しんでいます。 又いつか、お金と暇ができれば、トーナメントレベルで闘いたいと思っています。
今後のマジックに栄光あれ。