MTGについて7
「チーム戦やろうぜ」

始めにそう言い出したのは飽き性の自分だった。


毎日顔を会わせている、同じメンバーの、同じデッキとの対戦。

小学生のカード資産程度で組めるデッキはひとつか二つ。

デッキをまるごと組み替えるようなことはめったにない。


変化を求めての閃きだった。



「チーム戦?どうやんの?」

興味を示した仲間が集まる。

「二人でチーム組んで戦うの。場は別々でドローや攻撃は同時に。ライフは40くらいがいいかな。」


チーム戦という遊び方があるのは聞いていた。
しかしルール等については知らなかったので、自分なりにベストと思われるものを考えた。


「面白そうだ。やってみるか。」


さっそくチームを組んでの勝負が始まった。


自分のデッキは青。
当時既に、性格がデッキに現れている。

打ち消し、壁、飛行を中心とした正統派パーミッションだった。

仲間のデッキは白。
優秀な騎士とハルマゲドンを搭載したゲドンウィニーと呼ばれるものだ。


「おい、ハルマゲドンは打つなよ?打ったら打ち消すからな!」

「オッケー、お前のフルタップが狙い目ってことだなっ!」

さっそくチームワークに不安の残る我が陣営。

対する相手は赤単ランデスと赤緑ビートダウン。


戦いが始まった。


「ラノワールのエルフ!」

「白騎士を召喚」

「石の雨!ラッチの島破壊ね。」

「おぃ・・・2ターン目土地破壊は鬼すぎるぜ…」

「訓練されたアーモドン!」

「ちょ…3/3強いんだけど!打ち消せないの?」

「…さっきの石の雨で土地がないっス 」

「そこで電撃破よ!」

「おおっと残念、魔力の乱れ!1マナ払え~」

「うぜぇ!なんでそんな弱いカードいれてんだよ?」


「モグの偏執狂。」

「ん?あれって・・」

「堕ちろ!地震7点!」

「ラッチなんとかしろ!やばいやばい!」

「ちょまっ!対応渦巻く知識!…打ち消し~打ち消し~よっしゃ危ね、対抗呪文!」

「そこでハルマゲドンだ」

「おまっ、あほかー!!」

チームメイトの相性次第で戦いがころころ変わるのが面白い。

しかしチーム戦も繰り返すうちに、誰の組み合わせが強いか等が判明し始めた。


そこで


「じゃあ今度は“乱戦”やろうぜ!仲間無しで順番にやるの。誰攻撃するのもありね。」


思いついたのがサバイバルゲーム。


チームを組むなどとぬるいことはやらない。
さぁ、誰が一番かを決めようじゃないか。

ここぞとばかりに最強デッキを取り出す。


「俺のターン!偏頭痛プレイ!」
「罠の橋をプレイ!」
「底なしの奈落をプレイ!」


必勝パターンを決め、勝利を確信した。

この世をば我が物と思えばなんとやらだ!


「ボガーダンの金床をプレイ!皆、毎ターン2点ダメージな!」

「「「…………。」」」


そのとき、目前の脅威に三人の意思は一つになった!!


「罠の橋を解呪。」

「俺のクリーチャー全部お前に攻撃。」

「火葬、火葬、ショックお前に。」

「へ…?え?…あれっ?」


栄華を築く前に舞台を退場する負け犬が一匹。

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